蚕を食べる (6)

〜 「蛹を食べる養蚕」- 美味しい蛹を食べるために蚕を飼いませんか? 〜

日本では、蚕を育てる養蚕農家の高齢化と若手後継者の不足という状況があります。若手後継者が増えないのは、人件費の安い諸外国から輸入される絹と国産絹との価格競争で、国産繭の生産価格が安く抑えられて、儲かる養蚕経営が出来ないからです。

国内の養蚕農家の減少に伴い、国内産の繭も減少しています。昆虫食愛好者から「美味しい蛹(さなぎ)」を食べたいという需要が増えつつあるのに、糸繰り後の副産物としての蛹が入手しづらくなりつつあります。

この様な状況を打開するためには、「絹作り養蚕」の副産物をあてにするのではなく、「美味しい蛹を食べるための養蚕」を始めるという発想の転換が必要になる時期が近付いているのではないでしょうか。糸取り後の副産物蛹とは違い、新鮮な蛹はとても美味しいです。

私たちは食料生産のために、農作物を農地で栽培します。動物性タンパクを得る場合も、畜産業で家畜を繁殖させて飼育・肥育しています。養鶏・養豚だけでなく、牛だって繁殖牛・育成牛・肥育牛を牛舎で飼育します。漁業だって、海や川から漁獲するだけでなく、養殖魚が注目される時代です。

ブリ・ハマチ、マダイ、カンパチ、クロマグロ、ウナギ…など日本で養殖されている魚はたくさんあります。魚の養殖技術が進歩し、さまざまな種類の魚を美味しく養殖できるようになってきました。昆虫食が普及し、食用虫の需要が増えた時、他人の管理地にいる虫を無断で乱獲することは出来ないし、資源保護の観点からも、虫を飼育・養殖する時代が来るに違いないと思います。

食べるための食用蚕蛹を生産する養蚕、すなわち「美味しい蛹を食べるための養蚕」は、昆虫食時代の先端を行くことになるかもしれません。

4齢蚕を棚で飼育
5齢蚕を平飼育(桑を枝ごと切ってそのまま蚕に与える飼育法)
葉を食べ尽くして桑条の上に群がる5齢蚕。
熟蚕を回転蔟に振り込む作業
吊り下げた回転蔟で吐糸営繭。<写真は駒ヶ根シルクミュージアム所蔵>

蚕は、絹を吐く虫であり、絹を作る養蚕の歴史・文化と共に生きてきた虫です。昆虫図鑑には、チョウ目(鱗翅目)・カイコガ科に属する虫の代表として載っていますが、野外では生息していない虫、生息できない虫です。

蚕は桑の葉だけを餌としますが、人に飼い馴らされた蚕幼虫は、餌が無くなっても餌を捜しに行く本能がなく、飼育場所から逃げ出すことがありません。蚕は外敵から隠れて身を守る防御本能も、外敵を追い払う攻撃本能も持っていません。蚕は共食いもしないし、狭い面積でも密集状態で飼育できるおとなしい虫です。成虫の蛾には立派な翅もありますが、飛ぶことはできません。

このような変な虫は、蚕ぐらいかもしれません。蚕は人が飼育する虫なので、「カイコ」という呼び名は、「カウコ(飼う蚕)、カイコ(飼い蚕)」に由来するとの説もあります。

このように蚕は、人が世話をして飼育しないと生きてゆくことができない生き物で、野生回帰能力を完全に失った究極の家畜です。「蚕は家畜!」というと、いわゆる家畜の概念と違うので、「エッ!」と思われるかもしれませんが、ニワトリを「家禽」と呼ぶのと同様に、カイコのことを「家蚕」とも呼びます。蚕は野外では生息していないので、桑畑を探し回っても、蚕を捕獲することはできません。蚕を大量に繁殖・養殖させる場合には、野生の昆虫と違い、虫が逃げ出すことを防ぐ隔離設備は要りません。高価な飼育設備・器具も要りません。各養蚕農家で飼育する技術などのノウハウが既に確立しています。

蚕を食べるために、「蚕を飼ってみたい」・「養蚕のことを知りたい」という方は、養蚕農家さんや蚕を飼ったことがあるご年配の方などにお尋ねになるのが良いと思いますが、そのツテがない方は、駒ヶ根シルクミュージアム(駒ヶ根市東伊那。 https://komagane-silk.com/ )にご来館下さるか、お問い合わせ下さい。

>昆虫食通販 バグズファーム

昆虫食通販 バグズファーム

この度は 昆虫食通販 Bugs Farm(バグズファーム)をご覧いただきありがとうございます。

昆虫食は 罰ゲーム用、2次会の景品、ユニークなプレゼントとしてはもちろん,
・将来の食料源として国連の専門機関 国際連合食料農業機関(FAO)の昆虫食に関するレポートをみて興味が湧いた。
・単純に食としての虫に興味がある。
・SNS拡散力があるメニューを開発したい。
・面白い栄養成分が無いか研究したい。
・化粧品原料として研究したい。
・薬の原料として研究したい。
などなど、、、 まだまだ、始まったばかりのニッチな分野です。

将来昆虫食が食料の主流になることは無いと思いますが、数多くの選択肢の中の一つとなる時代が来れば嬉しいです。
 
バグズファーム 店主

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