虫を食べて暮らす12

昆虫食の会in氷見~富山県氷見市で初の試み~

夜明けとともに起床、カーテンを開けると5メートル先から水田が広がっていた。稲穂も8月上旬のこの時期はまだ緑一色でみずみずしい。昨夜遅く宿に入ったので周囲の環境は分かっていなかったので、これほど水田が広がっているとは思っていなかった。あとで聞いたのだが、この地域は粘土質なので畑作にはむかず、大部分が稲作なのだそうだ。

 富山県氷見市は日本海に面して寒ブリが名高い。ここで昆虫食イベントを開きたいので来てほしいという。依頼を受けたときは、そんな海産物が豊かな地域ではたして昆虫食は受け入れられるのだろうか、という思いが強かった。

 主催するのは今年設立された「ポリフォナジー」という若い移住者を中心とした団体だ。氷見市は富山県のなかでも有数の過疎と高齢化の進む地域だ。子供が減って廃校が相次ぐ。団体のメンバーは多様な活動を展開して魅力ある地域にしたいと考えている。そこでなぜ昆虫食なのか。中心メンバーの一人は十年ほど前東京に住んでいたころ、昆虫料理研究会のイベントに何度か参加したことがあった。そこで昆虫の美味しさはもちろんだが、集う人たちの魅力も強く印象に残ったという。昆虫食をテーマに集うことで面白い人たちのネットワークができるのでないかと考えた。

 8月11日、その日はやってきた。新幹線の新高岡駅で降りるとメンバー数人が迎えてくれた。途中で食材のコオロギとミールワームを仕入れるため熱帯魚ショップに立ち寄る。そして会場となる久目地区交流館にむかう。イベントが始まる午後2時近くになると、続々と座布団を敷いた広間に人が集まってくる。定員30名が満席となる。子供も10名ほど。30歳から40歳代が多い。女性も目立つ。ただ氷見市の外から来た人が多いと聞く。氷見市民は高齢の人が多く昆虫を食べるためにわざわざ会場へ赴くことはないようだ。2時定刻に講演を始める。

いつものように冒頭で昆虫食体験について聞く。富山だけあってイナゴを食べた人も参加者の三分の一ほど。ただカイコの蛹もザザムシも食べたことがあるという人がいたので、驚いて出身をきくと長野県佐久市だということで納得。ただしゲンゴロウは食べていないという。話の前半はセミをはじめいろいろな昆虫の食感、香り、味について説明し、後半でFAO報告やSDGsと昆虫食の繋がりについて話した。皆さん熱心に聞いてくれてとても話しやすかった。

 4時から屋外にでて採集と調理を楽しむ。今年はバッタ類が多く発生しているという。新鮮なバッタが食べられそうだ。以下メニュー。

・ニイニイゼミ成虫の素揚げ

・セミ成虫の天ぷら

・セミ幼虫の燻製

・バッタの素揚げ

・スズメバチ蛹のバター炒め

・コオロギ、ミールワーム、ハイイロゴキブリのカナッペ

・ジバチ成虫のカナッペ

・イナゴ、ハチの子、カイコ蛹のクラッカー

・トノサマバッタのフン茶

並んだ昆虫料理に興味津々の参加者のみなさん

皆さんに調理もして食べていただき大盛況だった。セミ幼虫の燻製は抜群に評価が高かった。ニイニイの素揚げが食べやすかったという声も多かった。トノサマバッタのフン茶も優しい草の味で飲みやすいという感想が聞けた。これは全員ではないが、ハイイロゴキブリがブルーチーズの味がするという人が何人かいた。セミ成虫はあまり特徴的な味が感じられないのに対して、ハイイロは味に個性があって好きだという感想だった。

 取材陣が多かったのにも驚く。北日本新聞社、富山経済新聞、読売新聞、朝日新聞、中日新聞、地元テレビ局など多数。ニュースソースとして格好な話題だったのかもしれない。FAOやSDGsとからめた質問が多かったのも、そのことを裏付けているように思われる。

「中日新聞」一面に載ったイベント記事

 富山という昆虫食の伝統のない地域でどの程度受け入れられるか正直不安はあった。だがそれは180度裏切られた。予想をはるかに超えて参加者の皆さんに楽しんでいただけたという実感がある。「また来年実現できるといいですね」とのスタッフの声を背に新幹線に乗った。

>昆虫食通販 バグズファーム

昆虫食通販 バグズファーム

この度は 昆虫食通販 Bugs Farm(バグズファーム)をご覧いただきありがとうございます。

昆虫食は 罰ゲーム用、2次会の景品、ユニークなプレゼントとしてはもちろん,
・将来の食料源として国連の専門機関 国際連合食料農業機関(FAO)の昆虫食に関するレポートをみて興味が湧いた。
・単純に食としての虫に興味がある。
・SNS拡散力があるメニューを開発したい。
・面白い栄養成分が無いか研究したい。
・化粧品原料として研究したい。
・薬の原料として研究したい。
などなど、、、 まだまだ、始まったばかりのニッチな分野です。

将来昆虫食が食料の主流になることは無いと思いますが、数多くの選択肢の中の一つとなる時代が来れば嬉しいです。
 
バグズファーム 店主

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