昆虫食に関する本
昆虫食について本を読んで知りたい!と思っている方のご参考になれば幸いです。
こんにちは、清田彩です。私が今までに読んだ本の中から「昆虫食に関する本」の感想を綴っていきます。

今回感想をお伝えする本のタイトルは『穀物文化の起源』(家光泰光、古今書院/1982年)です。
日本と周辺アジア、そしてヨーロッパにおけるコメやムギを中心とした穀物文化や、新穀物の研究について書かれています。
昆虫食については、米食が中心となっているタイの食文化として取り上げられています。
タイでは米食に不足しがちなタンパク質を、昆虫食によって補給していると紹介されています。日本でもイナゴやハチの子などを食べる風習があるので、稲作文化と昆虫食に関連があると考えられているようです。
タンパク質の「タン」を漢字にすると「蛋」ですよね。むしへんです。
高タンパクな昆虫食が関係あるのかと思って調べてみると、関係ありませんでした。
「蛋」は卵という意味があるそうです。
話は逸れましたが、タイの昆虫学者の調査では約50種の昆虫が食べられているとのことです。
アリを使った美味しそうなタイカレーの作り方が書かれています。
ツムギアリの卵(卵と呼ばれていますが、さなぎです)をフライパン上で炒って塩で味付けしたものを、ご飯に混ぜてライスカレーにするそうです。
ツムギアリはタイ北西部の朝市の屋台で大きな葉っぱに盛られて売られています。他の本にもよく登場する食材ですが、このツムギアリは金額的に高級食材です。
それを使ったカレーは、いつもよりちょっと豪華なカレーということになるのでしょうか。カツカレーのような。
東京でもタイ料理食材店では缶詰が売られていましたが、今はもう入荷していないようで見かけなくなってしまいました。
タイ北部の朝市でも昆虫が売られていて、タイワンエンマコオロギをから揚げにしたり、タマオシコガネの幼虫を油で炒めてご飯のおかずにするそうです。灯火に集まるセミやスズメ蛾も食べられています。
タイの昆虫食といえば、個人的にはタイワンタガメです。
雄は洋梨のようなフルーティーな香りを出します。
タイでのタイワンタガメの食べ方は、味というよりもその独特の香りを楽しめる方法で料理されています。
ニンニク、生トウガラシ、カピ、ペッパー、ライム汁、干しエビの粉を魚醬にまぜたナムプリック・マナオというドレッシングに、蒸したタイワンタガメをつきまぜて香りを出します。タイ人は「におい食」として好んでいて、ご飯のおかずにかけて食べるそうです。
日本人の私としては、ご飯のおかずに果物の香りというのが食べる前は違和感を持っていましたが、実際に一緒に食べてみるとご飯がよくすすみました。トウガラシの辛さとタガメのフルーティーな香りは最高の組み合わせだと思います。
タガメ採りをするスコタイの村では、夜に蛍光灯をあちこちにつけておびき寄せ、一夜で2000匹も採れるといいます。
海外から日本の空港に降り立つと醤油の香りがすると聞きますが、スコタイの村はもしかしてフルーティーなのでしょうか。