昆虫食ノススメ 4

「これが一番美味しい昆虫だ!?」

「今まで食べた中でどの虫が一番美味しかったですか?」というのはよくある質問。なんとなく答えはするものの、一番を決めるのは案外難しい。

インターネットで「美味しい昆虫」と検索すると「美味しい昆虫ベスト10」 「美味しい虫ランキング」などがたくさん見つかるのだが、突っ込みたくなるものも多い。
 
たとえば、美味しい昆虫は「イモムシ」と紹介されるのを見かけた時の「なんでやねん!」

イモムシとはチョウやガの幼虫で毛虫以外のもの。またカブトムシやゾウムシのような甲虫の幼虫もイモムシと呼ばれる。
チョウ目の昆虫は約2万種類もいて、日本だけでも5000種類ほどが知られている。甲虫にいたっては世界で30万種もいてるのだ。

シロスジカミキリ幼虫のように濃厚なコクがあり非常に美味いイモムシもいれば、カブトムシ幼虫のように泥臭くて不味いものもある。


エビガラスズメ幼虫はキノコのような旨みのある美味しいイモムシだが、キョウチクトウスズメは毒成分を持つ植物を食べているので危険だ。


同じアゲハチョウ幼虫でもミカンを食べるものは柑橘系の爽やかな香り、サンショウにつくものは辛味のある特有の香気がある。

植物は20万~30万種ということだが「植物は美味い!」と言われても。。ということになる。「イモムシは美味い!」というのも同じようなことなんである。

「幼虫が美味い」というのもよく見聞きするが「幼虫」というのは「イモムシ」という意味合いで使われていることが多いように思う。全ての昆虫は生まれた時には幼虫なんやけどなあ。。

インターネットに溢れる「美味しい昆虫」の情報はまさに玉石混交で、昆虫食経験値の高い人が発信する有益なものもあれば、「日本の昆虫はすべて美味しく食べられる」というようなデマ情報までよりどりみどり。

「デマ」という訳ではないが、あまり多くの昆虫を食べたことないであろう人が、一度だけ食べた昆虫の味についてあれこれと言及しているのも気になることがある。

私は食べ物の好き嫌いを決めるには最低8回は食べてから。というのをポリシーとしている。
もっといえば8回以上食べたことないものをあれこれと批評したり、人に説明したりする権利はないと考える。

たとえば生まれて一度だけラーメンを食べたことある外国人が「ラーメンとはこういうものである」と友人に語っているという違和感。
イカの刺身を一度だけ食べた人が「刺身とは白くてコリコリした食べ物である」といってしまう滑稽さ。

「昆虫の味」が語られる際に、そのようなことがよく起こっているように思う。

素材の鮮度や調理法、料理人の腕前や食べた時の状況などで、同じ昆虫でも味の印象は随分と異なる。

たとえば韓国ではカイコのサナギを煮たり蒸したりして醤油などで味付けしたものを「ポンテギ」と呼び、全国的によく食べられている。
缶詰も多く出回っていて、ちょっと変わったお土産として韓国旅行で買ってくる人も多い。このポンテギの缶詰が、雑巾を絞った水のように臭いのだ。かなり苦手な人が多いと思う。

これはその「ポンテギの缶詰」が不味いのだが、「ポンテギは不味い!」になり「カイコのサナギは不味い!」となってしまう。時には「昆虫は不味い!」となるから恐ろしい。

ポンテギのサナギは絹を取るために繭ごと熱湯で茹でられる。この時点でカイコの旨味は湯に出てしまう。
茹でた繭を温風で乾かす。昆虫は体が小さいので乾かしている間に酸化してしまい、臭みが出てしまう。
また現代の養蚕では、桑葉粉末を脱脂大豆や造形剤でカサ増しし、防腐剤、抗生物質などで日持ちするようにした人工飼料で育てる場合が多い。それらは本来の桑の葉で育てたカイコに比べて臭みが強い。

桑の葉で育てた新鮮なサナギには全く青臭さを感じない。
さっと湯通しして醤油を少しつけて食べると、濃厚な豆腐のような旨味とそら豆のような風味があり非常に美味しい。
ポンテギが苦手な人でもきっと大好きになる美味さである。

結局のところ、美味い昆虫は何か?という話に戻る。

昆虫ってエビみたいな味やろ、という人は多い。「エビと同じ甲殻類やもんな」というのもよく聞くが、昆虫は甲殻類ではなく昆虫類である。
正しくは「昆虫はエビと同じ節足動物やもんな」なんである。
 
たしかにイナゴは、エビ系の味である。かつて「丘エビ」と呼ぶ地域もあったという。
トノサマバッタは食べ応えもあり旨味も強くよりエビに近い風味だ。コオロギもエビっぽいが、豆っぽくもあり美味。

しかし、どの昆虫もエビ系の味という訳ではない。

シロスジカミキリ幼虫はマグロのトロのように濃厚な脂肪の旨味が楽しめる。濃厚系でいえば、スズメバチの幼虫はウナギのようで美味い。

タケノメイガ幼虫は竹を食べるだけあってクリーミーなタケノコのようだ。クリキゾウムシはクリ風味。

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パクチーやセロリなどの香草類が好きな人ならクサギカメムシやアカスジカメムシが好きだろうし、ブルーチーズとか鮒鮨など匂いの強いものが好きならゲンゴロウはどうだろうか。

タイワンタガメのオスは洋梨のような香りで美味いが、メスの卵は魚の目玉のような粘り気のある食感と魚卵のような風味があり絶品。

モンクロシャチホコは桜の葉を食べるので桜餅のような桜の香りが上品だし、カイコの卵は海ぶどうのようなプチプチした食感で磯の香り。

やっぱり「これが一番美味しい昆虫だ!」と言うのはとても難しいのである。
 

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この度は 昆虫食通販 Bugs Farm(バグズファーム)をご覧いただきありがとうございます。

昆虫食は 罰ゲーム用、2次会の景品、ユニークなプレゼントとしてはもちろん,
・将来の食料源として国連の専門機関 国際連合食料農業機関(FAO)の昆虫食に関するレポートをみて興味が湧いた。
・単純に食としての虫に興味がある。
・SNS拡散力があるメニューを開発したい。
・面白い栄養成分が無いか研究したい。
・化粧品原料として研究したい。
・薬の原料として研究したい。
などなど、、、 まだまだ、始まったばかりのニッチな分野です。

将来昆虫食が食料の主流になることは無いと思いますが、数多くの選択肢の中の一つとなる時代が来れば嬉しいです。
 
バグズファーム 店主

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