昆虫食ノススメ 5

「養殖昆虫ノススメ!?」

昆虫食といえば、野生の虫を捕まえてきて食べるとイメージする人が多いだろう。
ところが、未来食として期待が集まっているのは「昆虫養殖」である。

自然採取は自給自足型ライフスタイルの一部としてはとても効率的だが、季節や気候に左右されやすく年間を通じた安定的な供給が難しい。また種類によって違いはあるものの、労力の割りには採取できる量も少ない。
世界的に昆虫が減少している問題があるので、乱獲による絶滅などの問題もある。

人類のタンパク源として昆虫を考えた場合はやはり養殖なのである。
昆虫は途方もなく種類が多いのだが、養殖に適したものは以下の条件を満たすことである。

1.成長が早く増えやすいもの
2.動きが遅く扱いやすいもの
3.エサが簡単に手に入るもの
4.密集して飼育できるもの
5.攻撃性が低いもの
6.飼育環境が作りやすいもの
7.臭いや鳴き声の少ないもの
8.美味しいもの

昆虫養殖は牛や豚などの家畜動物と比べてエサが非常に少なくて済む。牛の体重を1kg増やすのに必要な飼料は10kgだが、昆虫の場合は種類によるが1.5kg~4kgほどだ。

さらに牛は骨や皮など食べられない部分が半分ほどあるので、食肉1kgを生産するのに必要な飼料は20kgにもなる。
一方で昆虫は、そのまま食べられるので可食部分が100%である。羽や足を取り除いて食べる場合でも可食部分は90%ほどである。

そのまま食べれるというのは、飼料効率が良いだけでなく、動物を解体するための労力や時間もかからず、水や電気などのエネルギーも必要ない。
また骨など食べられない部分はゴミとなり、それらを処理するにもエネルギーがかかる。
過密飼育できる上に世代交代のサイクルが早いので、省スペース大量生産が可能で、温室効果ガスの排出量も非常に少ない。

では実際にどのような昆虫が食用に養殖されているのだろうか。

食用の養殖昆虫として注目されているのはダントツでコオロギである。 
食用コオロギの養殖は90年代後半にタイで確立された。それまでも自然採取により食用にされていたフタホシコオロギと、外国から持ち込まれたヨーロッパイエコオロギの2種である。
雑食性で少ない穀物や野菜クズなどで育てることができる。ライフサイクルが短く環境がよければ年間に7回ほども収穫できる。
比較的イメージもよく、飼育技術もある程度は確立している。

タイのコオロギ養殖

FAO(国際連合食糧農業機関)が2013年に昆虫食のレポートを発表したことを受けて、それまで昆虫食文化の薄かったアメリカやカナダ、ヨーロッパの国々でも昆虫食ビジネスが盛んになってきているが、その多くはコオロギの養殖や、コオロギを使った商品の販売である。

世界の養殖昆虫の現状はコオロギひとり勝ち状態だが、もちろん未来食として他にも多くの養殖昆虫の候補はある。

コオロギと同じくペット餌として養殖が行われていたミールワーム (チャイロノコメノゴミムシダマシ)は繁殖力はコオロギより遅いが、手間がかからない。また寒さにも非常に強い。餌の量がコオロギより多いが、小麦ふすまなど人間と食べ物がかぶらないというところも大きなメリットだ。
ジャイアントミールワーム(ツヤケシオオゴミムシダマシ)という大型種も養殖は盛んである。

イエバエつまりウジムシも養殖昆虫としてのスペックは非常に高い。イエバエの養殖は旧ソ連時代に火星への有人探査の際の食糧として研究が始まった。
畜産農家にとって糞尿の処理は問題の一つである。1000匹の豚を飼育すれば毎日3トンもの豚糞が発生するが、堆肥とするのには3ヶ月(完熟堆肥は1年)という長い時間と広い場所が必要である。発酵促進剤も必要で、切り返しや攪拌にもエネルギーがかかる。


イエバエを使えばたった7日間で、3トンの豚糞から300kgのイエバエ幼虫と900kgの肥料(フン)が作られる。発酵ではないので温室効果ガスの発生もほとんどない。
繁殖能力が凄まじく、有機廃棄物の処理に役立ち、栄養価も高く美味しい昆虫だ。
しかしイメージが悪いので、現状では鶏や養殖魚の餌として使用されている。またアメリカミズアブも同じく家畜飼料として利用される。

人類と長い付き合いのあるカイコも有用だ。犬に次いで古い家畜と言われるカイコの飼育は約6000年前に中国で始まったとされ、日本でも弥生時代には養蚕が行われていたようだ。
野生回帰能力を失った唯一の家畜動物であるカイコガは、扱いやすい。
なにより長い歴史の中で様々な品種が生み出されていて、養殖昆虫としてのノウハウが蓄積されていることは大きな強みだ。
JAXAの宇宙農業サロンでは、宇宙食としてイエバエとカイコが有力視されている。

タイのカイコ養殖

 
ゴキブリも養殖昆虫として可能性が高い。デュビアと呼ばれるアルゼンチンモリゴキブリなどが爬虫類などのペット餌として養殖されている。

ゴキブリは意外と成長が遅く多産ではないが、餌切れや水切れに強く死ににくい。密集して飼育でき、共食いもしない。デュビアは動きも遅く、壁も登れないので扱いやすく、オスメスの判別も容易である。個人的には一押しの養殖昆虫である。

昆虫は非常に種類が多いので、今後ますます多くの昆虫が食用に養殖されていくだろう。

2種のコオロギが養殖されていると前述したが、タイでは新たに3種類のコオロギの養殖が始まっている。
またヤシオオオサゾウムシというヤシを 食樹 とする非常に美味な昆虫もキャッサバで飼育できることがわかり、タイ東北部やラオスなど、ヤシの育たない地域での養殖が始まっている。

養殖昆虫の販売

今後は多く昆虫の中からコオロギに変わる新たなスターが現れる可能性もあるし、効率的な養殖技術のアイデアや、ノウハウの蓄積、また品種改良やAI技術などでますます生産性もよくなっていくはずだ。

一方で、効率は悪いがとても美味しい高級昆虫の養殖がでてくることにも期待したい。

>昆虫食通販 バグズファーム

昆虫食通販 バグズファーム

この度は 昆虫食通販 Bugs Farm(バグズファーム)をご覧いただきありがとうございます。

昆虫食は 罰ゲーム用、2次会の景品、ユニークなプレゼントとしてはもちろん,
・将来の食料源として国連の専門機関 国際連合食料農業機関(FAO)の昆虫食に関するレポートをみて興味が湧いた。
・単純に食としての虫に興味がある。
・SNS拡散力があるメニューを開発したい。
・面白い栄養成分が無いか研究したい。
・化粧品原料として研究したい。
・薬の原料として研究したい。
などなど、、、 まだまだ、始まったばかりのニッチな分野です。

将来昆虫食が食料の主流になることは無いと思いますが、数多くの選択肢の中の一つとなる時代が来れば嬉しいです。
 
バグズファーム 店主

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