コオロギコーヒー取り扱い開始
奈良県で昆虫食の活動をしているかずきです。
8月までクラウドファンディングにより、「コオロギコーヒー」の開発資金を募集していました。このたび、皆さんのご支援により、目標金額を達成し、先日、応援いただいた皆様に発送を行ったところです。
せっかく開発したのに、クラウドファンディングで発送して終わりではもったいない・・・
もっと多くの方に昆虫食を啓蒙していきたいと思い、この度、バグズファームでお取り扱いいただくことになりました!!!
そもそも、この、コオロギコーヒーってどんな商品なのか、開発のエピソードを紹介したいと思います。
【開発のきっかけ】
今回、ご協力いただくサンワコーヒーワークスさんは、僕が大阪・天満を歩いていた時に、ふと目に止まって入った下町のカフェです。

たくさんの産地のコーヒーが並べられ、観葉植物やドライフラワーでセンスよく彩られた店内です。
その時に飲んだホットコーヒーは、苦味や雑味もなく、運動した後にミネラルウォーターを飲むようにゴクゴクと飲めたことを今でも覚えています。
それまで、カフェというと、大手のチェーン店くらいしか知らなかった僕にとっては、初めて虫を食べた時に匹敵する衝撃でした。
それから、大阪に用事があるたびに通い、代表の西川さんとも親しくなりました。
その後、お店は大阪駅のLUCUAに出店されたり、西川さんは日本で4位の焙煎士になられたりして、どんどん注目されていきました。自分のことのように嬉しい気持ちでした。
僕が昆虫食の普及活動をしていることも知っておられて、ふと、もしかしたら、「ローストしたコオロギの香りってコーヒーに合うんじゃないか??」と相談してみたところ、『やってみましょうか!』と快諾いただけました。
完全に、「ひらめき」で思いついたものですが、ここから、実際の開発に向けた道のりが始まります。

その日からは自宅でコーヒーに合う、コオロギの種類は何なのか?
さらに、コオロギそのものの香ばしい甲殻類系の風味、エグみのない淡白な素材の味を活かすにはどの様にすればよいのか?
西川さんや、僕の悩みを聞いてくれるYouTube配信チーム(昆TUBEちゃんねる)のメンバーにアドバイスを頂きながら検討を重ねました。
・ヨーロッパイエコオロギは、食べやすい反面、特徴が出にくいのではないか。
・タイワンオオコオロギやジャマイカンフィールドコオロギは、入手しにくそうだし、海外産がメインになりそう。
いろんな種類のコオロギのパウダーを取り寄せ、実際にテイスティングを行い検討を重ね、
コオロギの中でも味の強いフタホシコオロギが最適ではないかという結論に至りました。
・ウイスキーの樽で熟成させたコーヒー『バレルエイジド』
(中目黒のスターバックスでいただいて大ファンになりました)
・ジャコウネコの糞から取れるコーヒーチェリーで作る『コピルルアク』
(友人のベトナム土産でいただき、独特の熟成された風味がなんとも不思議な味わいでした。)
世界にはコーヒーと掛け合わすことでさらに風味を引き出したコーヒーが山のようにあります。
国内で安全面や衛生面を徹底的に管理された環境で養殖されたグリラスさんの『フタホシコオロギ』をローストしたときの香ばしい香りと、西川さんの焙煎技術が化学反応を起こして、そんな付加価値のあるものができるんじゃないか?という期待を持って、開発を始めました。
【コオロギへのこだわり】
原料は徳島大学発のベンチャー企業である「株式会社グリラス」のフタホシコオロギを使用。

(株式会社グリラス・工場エントランスにて 佐々木 慎和ファームディレクターと)
最近話題にもなった無印良品さんの「コオロギせんべい」の原材料も提供されています。
徳島県鳴門市にあるグリラスファームにて室温・湿度管理を徹底した最適な環境の下、完全室内飼育製造をした安心・安全な食用コオロギパウダーを原材料に使用しています。

【コーヒーへのこだわり】
コオロギコーヒーは「サンワコーヒーワークス」にて開発を行うオリジナルブレンドコーヒーです。
オーナーの西川隆士さんは、2019年ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップで4位に輝いた腕前の持ち主。
コーヒー農園で長い年月をかけて育った豆を丁寧にハンドピック・焙煎し、こだわりの直火式焙煎機を使用した、しっかりとしたコオロギフレーバーの際立つコーヒーをブレンドしていただきました。
ローストされたコオロギが持つ香ばしさ、風味を存分に生かしたオリジナルブレンドです。

【ブレンドの秘話】
フタホシコオロギに合わせるコーヒー豆は何がいいのかなと考えたときに、今回の開発の目的である「コオロギを引き立たせる」という目的を重視したいと考えました。
コーヒーの焙煎は、豆が灰化していく過程です。したがって、焙煎が強いと、苦味が増しますし、焙煎が弱いと、酸味が強くなる傾向にあります。
今回は、コオロギを引き立てるために、酸味・苦味・コクなどのバランスがよい「ブラジルサントス種」を用いることにしました。


共同で開発した西川さんより、今回のプロジェクトについてコメントをいただきました。
Sanwa coffee works 西川 隆士 代表

コーヒーの中に、コーヒー以外の成分を代替することにより、味わいを楽しむということは、疲弊している産地を間接的に救うことにつながります。
したがって、このプロジェクトはコーヒー豆を取り扱う当店としても、視点が非常にユニークで面白いものと言えます。
今回はオーソドックスな中煎りの豆を使いましたが、ブレンドする昆虫によって、豆の種類を変えたりしても面白いかもしれません。
【パッケージへのこだわり】
デザインですが、従来の「昆虫食」商品とは少し趣向を変えてみました。
鮮やかな緑を引き立たせるようなパッケージに、少しだけコオロギのモチーフを入れて・・・。

肝心の味ですが、コーヒーの味を和らげるようなまろやかさがプラスされていて、飲みやすいというお声をいただいています!!
内山昭一先生を招いてコーヒーを披露するイベントを大阪梅田で開催しました。
群馬県のFUTURENAUTの櫻井先輩もコオロギゴーフレットを持参して参加してくださいました。


僕のTwitterやYouTubeを見てお子さんが来てくれたり、このイベントのために、東京から来てくださった方も・・・・本当に感謝です!!

ぜひ、一度、試してみていただければと思いますのでよろしくお願いします!!!