無印良品の「コオロギせんべい」発売に寄せて
日本の虫入りせんべいの元祖は「地蜂せんべい」であろう。

写真1 地蜂せんべい(市販)
https://insectcuisine.jp/?p=185
長野県大町市にある地蜂愛好会が、地蜂(クロスズメバチ)の廃棄される親蜂5~6匹を焼きこんだせんべいを作った。地元の土産物店などにおいたところ好評だった。私も注文してイベントなどで参加者に食べてもらっていた。残念ながらせんべい屋が高齢で廃業したためいまでは作っていない。(写真1)
ひところ南部せんべい手焼きセットを入手して、せんべい焼きに凝った時期がある。イベントでも焼き道具(写真2)を持ち込んでさまざまな昆虫などをのせて焼いて楽しんだ。

https://insectcuisine.jp/?p=301
https://insectcuisine.jp/?p=403
コロナ自粛で家の片づけをしていたらCookinGooという何でもせんべいにしてしまう器具がでてきた。「グ~とはさんでパリパリもちもち新食感」というキャッチの通り、手軽になんでも挟んで圧縮してせんべいにしてしまう。これも一時期はまって作ったことを思い出し、久しぶりに何枚か焼いて楽しんだ。(写真3、写真4)


無印良品がフタホシコオロギの粉末を練りこんだせんべいを発売して話題になっている。
https://www.muji.com/jp/ja/feature/food/460936
上記サイトでは「コオロギが地球を救う?」という見出しが躍っている。前評判が高く注目されていただけに、注文もたくさん入っているようだ。
ここではコオロギが栄養価が高く環境負荷が少ないことを表やグラフで分かりやすく説明している。ただ100gあたりのタンパク質量を家畜と比べた数値で、コオロギが60gとあるが、これは乾燥品の場合だ。家畜は生なので、一見コオロギが3倍近くタンパク質が多いように見えるが、コオロギも生だと20gほどなので、家畜とほぼ同量である。グラフの下に「コオロギ:パウダー、鶏:むね肉、豚:もも肉、牛:もも肉にて算出」とあるので間違いではないが、誤解しやすいので気を付けよう。
国内ではなかなか広がらなかった昆虫食だが、これを機に昆虫食市場が広がることが期待される。無印良品の英断に感謝するとともに、勝手ながらコオロギの次は〈イナゴせんべい〉を期待したい。