『すいかの匂い』

昆虫食に関する本

昆虫食について本を読んで知りたい!と思っている方のご参考になれば幸いです。
こんにちは、清田彩です。私が今までに読んだ本の中から「昆虫食に関する本」の感想を綴っていきます。

今回感想をお伝えする本のタイトルは『すいかの匂い』(江國香織、新潮社/2000年)です。

夏の少女の物語が11編収められた短編集です。

親戚の家の匂いとか夕方のセミの声だとか、どこかに自分の思い出と重なるような、主人公たちが少女だった頃の夏の記憶の物語です。

昆虫食に関する本として紹介するのは、違うとは思うのですが…虫を食べるシーンが印象的だったので紹介しようと思います。

本のタイトルになっている『すいかの匂い』は、1番目の物語です。

「すいかを食べると思い出すことがある。」

という一文から始まり、主人公の女性が9歳の夏休みに体験したことを語り始めます。

母の出産のため、はじめて両親と離れ叔母に預けられた[私]はホームシックにかかり、来た道を戻って帰ろうと叔母の家を飛び出しました。

道に迷ってすっかり夜になると、やわらかいあかりにつられて小さな家にあがりこんでしまいます。

そこには、2人の男の子とその母親がいました。顔立ちのよく似た[みのるくん]と[ひろしくん]、そして身なりは粗末ながら整った顔立ちの[おばさん]です。

[私]は不気味さを感じつつも、事情を説明して一晩泊まることになります。

翌朝、小さな家に駆け付けたおまわりさんや叔母たちの呼び声で目をさますと、親子はいなくなっていました。

「あの夜のことは、叔母にも両親にも話していない。」

という一文で[私]の独白は終わります。

肝心の部分は省いて大筋を書きましたが、『すいかの匂い』は怖いお話ではありません。幽霊の話でもなく現実味のあるお話ですが、ほんの少し気味悪い感じはします。

私がこの本を読んだのはずいぶん前なのに印象に残っている理由は、小さな家で主人公たちが夕食後にすいかを食べるシーンが妙に鮮やかだったからです。

「みのるくんが二切れ目のすいかに手をのばし、私はお盆をみてぎょっとした。まっ黒な蟻がたくさん、すいかにたかっている。お盆にたまったしるにも、そばに置かれた包丁にも、蟻はぞろぞろ行列していた。雨戸がたてきってあるのにどこから入ったんだろう。そう思ったら、心の底からぞっとした。みのるくんは少しも頓着せず、蟻がたかったままのすいかをかじった。蟻は、みずみずしく赤い大地の上を右往左往している。」

そして[私]の視線に気づいた[みのるくん]は、こう言うのです。

「蟻はね、すっぱいんだ、ぷちっとつぶれると」

ぞわっとしませんか。この蟻とすいかの描写、そして男の子の言葉。

このシーンで物語に漂う不気味さのピークを蟻が演出していて、私も蟻の味を知っているだけに、すべての短編を読み終えた後でも蟻の後味が続いているような感覚でした。

この短編にちなんで、ひとつレシピを考えました。

【あの夏の味ゼリー】

材料:すいか(カットした果肉、果汁)、黒蟻、ゼラチン、砂糖、レモン汁、水 各適量

作り方:

  • すいかの皮を屋外に置き、黒蟻をおびき寄せて採る。黒蟻は茹でて水気をとる。
  • すいかの汁と水を鍋で温め、黒蟻以外の材料を入れてよく溶かしゼリー液をつくる。
  • ゼリー型に黒蟻と、3/1までゼリー液を入れて、冷蔵庫で冷やす。
  • 固まったらすいかの果肉と、残りのゼリー液を入れる。
  • 再び冷蔵庫で冷やして、型からはずして完成。

考えたものの、私はすいかが好きではないので作っていません。なのでゼリーの写真を載せられなくてごめんなさい。

『すいかの匂い』をはじめとした11編の短編は、どれも明るくさわやかな夏の物語ではありません。

なんとなく暗い、湿った感じのする物語です。現実でも心に秘めた夏の思い出は、そういうものなのかもしれないと思いました。

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この度は 昆虫食通販 Bugs Farm(バグズファーム)をご覧いただきありがとうございます。

昆虫食は 罰ゲーム用、2次会の景品、ユニークなプレゼントとしてはもちろん,
・将来の食料源として国連の専門機関 国際連合食料農業機関(FAO)の昆虫食に関するレポートをみて興味が湧いた。
・単純に食としての虫に興味がある。
・SNS拡散力があるメニューを開発したい。
・面白い栄養成分が無いか研究したい。
・化粧品原料として研究したい。
・薬の原料として研究したい。
などなど、、、 まだまだ、始まったばかりのニッチな分野です。

将来昆虫食が食料の主流になることは無いと思いますが、数多くの選択肢の中の一つとなる時代が来れば嬉しいです。
 
バグズファーム 店主

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